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第四回 ヒプノセラピーの実際

三日月 ヒプノセラピー

具体的なヒプノセラピー

それでは今回は具体的なヒプノセラピーの方法についてお話します

よろしくお願いします

以前、潜在意識が見える時があるとお話ししましたよね

はい、夢の中とか

そう、寝ているときとか、あるいは、かなりお酒を飲んで酔っぱらっているときなども可能性はあります。 要するに、「私」という意識、言い換えれば「理性」が弱くなっているときに、潜在意識を垣間見ることが出来るんです

でも、寝てしまったらヒプノセラピー出来ないですよね。お酒でも飲むのですか

さすがにセラピーでお酒を飲むわけにはいきません。さらに、お酒を飲んでも気持ちよく酔える人ばかりではないので、お酒は使えませんね。特に精神的に調子が悪い時は悪酔いすることが多いですから注意が必要です

ではどうするんですか?

そこでヒプノセラピーです。でも、催眠術ではありません。催眠術では基本的に自分自身が無くなってしまい、外からにコントロールされてしまいます。さらに、このレベルまでの催眠に入るためには、ある種の才能と訓練が必要で、だれでも簡単に出来るわけではありません。「瞬間催眠」などといって、人を驚かせ、一瞬の虚をついてコントロールする方法なども無いわけではないのですが、出来れば自然に少しずつ進めていくのが望ましいと考えます

ヒプノセラピーでは、ご自身で自然に催眠状態に入っていただきます。セラピストは、そのための環境づくりをし、催眠状態への移行をお手伝いをするわけです。
ですから、最後まで意識は残っています。ですから、慣れるまでは、「催眠に入っていなかったのでは」と思う方も多くいらっしゃいます

具体的には、軽い音楽をかけながら椅子に座ります。軽く目を閉じて、セラピストの誘導に従いながら、どんどん力を抜いていきます。
最終的には、意識はあるけど「ぼーっとした感じ」になるのが理想です

なるほど、ここまでは特別なことはないですね。難しいこともなさそうだし

基本的にはこれがすべてで、あとはセラピストと二人で、お話を作っていくだけです

それって、難しそうですね?

そんなことはありません。「難しい」というのは「頭を使って考える」からですよね

そうですね。多分

でも、ヒプノセラピーでは頭は使いません

えっ?

 だからヒプノセラピーなんです。今は「催眠」の中だという設定をしてあるので、何でもありなんです。無礼なことを言っても、荒唐無稽な事を言っても、つじつまが合わない回答をしても。つまり考えなくていいんです

どういうことですか?

要するに、頭で考えてまともなことを言う必要は無いんです。思ったこと、感じたこと、心に浮かんだ事を何の規制もかけずにそのまま口に出して良いという事なんです

そうは言っても、あまり恥ずかしいことを口に出すのは

はい、そこがこのセラピーの一番重要なところです。「今は催眠の中だから、この言葉を発しているのは潜在意識で、それは私が制御できないんだから何を言ってもOKだ」という意識を持つことが大切なんです。もちろんセラピストは完全に理解しているのですが、セラピーを受ける側が、意識の壁を越えて、この段階に進んでいただけると、最大の効果を出すことが出来ます

そうならないと効果が無いんですか?

そんなことはありません。ある程度疑いながら、表面だけで初めても、それなりの効果があることは多々あります。また、少しでも変化があれば、自然に段階が変化していきます

話を聞いていると、催眠じゃないように思うのですが

 一般的な、いわゆる「催眠」の概念から見るとちょっと違うかもしれないのは事実です

 最初は、「これから催眠ですよ」という定義をしているだけかもしれません。たとえばお酒の席で「今日は無礼講だから」と言って、「遠慮なしで行こう!」と宣言するようなものかもしれません

形だけでよいのですか?それで本当にうまくいくのですか?

はい、大丈夫です。一度その世界に入ると、どんどんのめり込んでいきますよ。みなさん、本を読んだり映画を見たりしたことはありますよね。最初何気なく見始めたものに、どんどん入っていったことはありませんか?

確かに

映画や本はあくまで他人のお話です。ところが、ヒプノセラピーはある意味本当の自分の事です。他人のことにですら感情を動かせるのですから、自分のこととなったら…

なるほど、ちょっとわかるような気がします

とりあえずヒプノセラピーの基本のお話はここまでです。この先にも沢山の応用編や技術があるので、また機会があれば続きを書きたいと思います

ありがとうございました

追記

実は、世の中へ出て長い人ほど、ヒプノセラピーが最初からうまく出来ない傾向があります。なぜなら、「自分をそのまま出すこと」、これは言い換えれば、「ガードを外して無防備になること」で、実際の社会では非常に危険なことでもあります。もしあなたがガードという鎧を外せる環境を持っていなければ、長い間身に着け続けたガードを外すためには、セラピストとの信頼関係と、ちょっとした練習が必要です。

一般的には、2回から3回の練習をへて、だんだんこの催眠の世界に入っていけるようになると言われています。

もちろん人により個人差があるので、瞬時に出来るようになる人や、かなり長く時間がかかる人も入らっしゃいますが、その先には全く新しい驚くべき世界があるので、ぜひ一度体験してみていただきたいと思います。

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