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努力って報われない

つぶやき

「努力って報われないなぁって思いました」

北京冬季五輪、フィギュアスケートで、羽生弓弦選手が果敢に4回転アクセルに挑戦した演技の後に語った言葉、「努力って報われないなぁって思いました」が、とても心に深く響きました。

今までよく聞いてきた、「努力は報われる」「練習は裏切らない」というような言葉。
これが嫌いなわけではないのですが、なんとなく違和感を感じていて、あまりすっきりとは心に入ってきませんでした。

その言葉に、何となく「綺麗事」のようなものを感じてしまい、ちょっとへそ曲がりな私としては、素直に「そうだねぇ」とは思いたくなかったのかもしれません。

「だったら成功しなかった人はみんな努力が足りなかったの?」

「もっともっと頑張っても駄目だった人もいるんじゃない?、その人が裏切られたのはどうして」
と。

だから、「努力は報われる」は間違いではないけれど、

「宝くじ、たくさん買えば一攫千金でお金が入る確率は高くなるよ」

みたいなものだと思ってしまうのです。

成功するためには

1.報われたと感じる内容の明確化
2.今の自分の状況の把握と、目標を実現させるための正しい方法
3.努力する事が出来る環境と才能
4.運

この4つが必要ではないかと考えます

だから、「努力が報われた」ひとは、すべての条件が当てはまった、ほんの一握りのラッキーな人ではないかと思うのです。また、その人の持てる能力からみて、目標が低ければ報われやすいし、目標が高ければ報われにくい事は明らかです。

だから、「努力って真剣に高いところを目指すほど、報われないことの方が多い」のではないかと思います。

一般的に、スポーツにしろビジネスにしろ、、普通は目標を実現させるための、ある程度確立された手法があるものです。以前に成功した人がいる場合は、それを参考にする事が出来ます。

ただ羽生選手の場合、だれも成し遂げたことが無いことをやろうとしたわけですから、それを実現させる方法から探す必要があったのです。本人のインタビューからもうかがえますが、おそらく、ありとあらゆることを調べ、勉強し、実際に試して、最善と思う方向で努力してきたのだと思います。

終った直後に、「これ以上挑戦を続けるかどうかはまだ考えていない」ような発言をしたことで、いかに全力で努力をしてきたかがうかがえると思います。

彼のような負けん気の強い人は、少しでも後悔する部分、やり切っていない部分があれば、「もう少し頑張ります」と言うでしょうから。

だから、努力が報われないことは、真剣に努力した人にとっては、悔しいことではあっても、勲章ではないかと思うのです。本当の自分の限界に望んだのですから。
そして、想定していた報酬が得られなくても、真剣に取り組む過程で、思っていた以上のものを得られたのは、羽生選手のその後の話や表情から見ても間違いなく感じ取ることができます。

「努力って報われない」と言う言葉が私の心に響いたのは、よく聞く「努力は報われる」というちょっと軽く感じてしまう言葉ではなく、命がけで努力をした末ににじみ出た言葉だからこそ、「そこまでやりきったんだ」と、私の中に深い感動が生まれたのだと思います

努力は必報われるものではありません。でも、本気で努力は報われないと言い切れるほど努力できれば、仮に自分で気づいていなくても、想定していた物よりはるかに大きなものを得られているのではないかと思います。

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